先生の声:情報主任の先生へ

校内への普及と共通理解づくり

情報主任の先生方は、子どもたちの情報モラルに関する課題に向き合いながら、同時に、学校全体としてどのように指導を進めていくかを考える立場にあります。教材が属人的になりやすい中で、どのように共通理解をつくり、校内に広げていくのかは、多くの学校が抱える悩みでもあります。ここでは、舞鶴市小学校教育研究会情報教育部の梶原 充 先生と川戸 宏太先生にお話を伺いました。

Q1

これまでに、子どもたちの情報モラルに関して、学校としてどのような困りごとや課題がありましたか?

A
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部 梶原 充 先生
学校として、情報モラルの指導にあたって、どの教材を使えばよいのか分からないという悩みがありました。統一された教材がなく、先生それぞれが、自分の引き出しとして持っている教材やワークを使って指導している状況だったと思います。
Q2

なるほど。子どもたちの情報モラルに関する困りごとを背景に、「どの教材を使うか」という点が、学校としての大きな課題だったのですね。では、こうした中で、GIGAワークブックは学校でどのように活用されているのでしょうか。

A
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部 梶原 充 先生
あくまで肌感覚ですが、教科で言えば、理科が使いやすいという印象があります。写真の撮り方や保存の仕方といったスキルに関する内容は、理科の学習の中で活用できる場面が多いと感じています。
Q3

GIGAワークブックのコンテンツには、教科との相性の良さがあることが分かりました。では、実際に学校で導入されて実感されている効果はありますか?

A
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部 梶原 充 先生
まず、子どもたちの意欲の面で効果を感じています。文字量が少なく、視覚的に理解しやすいため、学習が苦手な子にとっても、学習への足掛かりになりやすいと感じています。また、実際に起こり得るトラブルを仮体験しながら、「自分ならどう行動するのがよいだろうか」と具体的に考え、再確認できる点も大きな効果です。トラブルを単なる知識としてではなく、自分事として捉えられる良さがあると思います。
Q4

校内で教材を広げていく際には、単に紹介するだけでは難しい場面も多いと思います。では、校内ではGIGAワークブックをどのように普及されていますか?

A
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部 川戸 宏太 先生
GIGAワークブックについては、校内研修の場で紹介していますが、それだけでは、なかなか実際の活用にはつながりません。そこで私は、参観日の機会を活用し、5・6年生合同の授業でGIGAワークブックを使った授業を提案し、まずは自分が実践して見せることを意識しました。
実際の授業を見てもらうことで、「なるほど。確かに大切ですね」という納得感を持ってもらえたと感じています。先生同士で授業を参観し、活用の様子を共有していくことが、校内に広げていく上でとても大事だと思います。
Q5

最後に、他の学校の先生や初めてGIGAワークブックを使う先生へのアドバイスはありますか?

A
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部 梶原 充 先生
実際に使ってみないと分からないことが多いと思います。まずは、使ってみることが第一歩になるのではないでしょうか。
A
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部 川戸 宏太 先生
学級の中には、スマートフォンをよく使っている子と、ほとんど使っていない子がいます。そうした実態の違いが、授業のやりにくさにつながることもあると思います。GIGAワークブックは、どの子にも当てはめて考えられ、誰もが参加できる教材です。その点を先生方に伝えられれば、授業の進めやすさにつながるのではないでしょうか。
「何を、どのように、全体で扱うか」という学校としての基盤づくりを支える共通言語に
酒井郷平 准教授
常葉大学 教育学部
酒井 郷平 准教授

今回のインタビューから、情報主任の先生方が直面している課題は、子どもたちのトラブルそのもの以上に、「何を、どのように、全体で扱うか」という学校としての基盤づくりにあることが見えてきました。GIGAワークブックは、特定の教科や場面と結び付けながら活用でき、学力や経験の差がある子どもたちも含めて学びに参加できる教材です。また、校内で普及させる際には、研修で紹介するだけでなく、まず自ら実践し、授業を通して価値を共有することが有効であることも示されました。情報モラル教育は、一斉に完成形を目指すものではありません。小さな実践を可視化し、共有しながら積み重ねていくことで、学校全体の学びとして根付いていきます。GIGAワークブックは、その第一歩を支える共通言語となる教材だと言えるでしょう。

ヒアリング調査協力者

川戸 宏太 先生
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部
梶原 充 先生
舞鶴市小学校教育研究会情報教育部
龜井 貴子 先生
舞鶴市教育委員会学校教育課
廣瀬 雅之 先生
淡路市立東浦中学校
田村 真央 先生
淡路市教育委員会
市位 真 先生
多可町立八千代小学校
足立 浩司 先生
多可町教育委員会学校教育課